占いを仕事にするなら、どんな名前にするかは本当に大事。

翡翠輝子という占い師名は、深夜の女性週刊誌編集部で切羽詰まって生まれました。水晶玉子先生のパチモンですが、母の姉の翠(みどり)さんと父の妹の照子(てるこ)さんの両方が入った名前だと後で気付きました。この名前のおかげで、裏方のライターの私が署名入りで原稿を書ける機会にも恵まれました。コンテンツ会社が課金サイトを作ってくれたのも担当者が「名前が素敵だったから」と連絡をくれたか思ったからです。

 

このところ読みふけっている仁田丸久著『周易裏街道』。仁田丸久は「にたまるく」と読みます。名字の「車谷」を逆から読んだ名前であり、亡き幼な馴染の仁田さんから借りた名前だそうです。

車谷という私の本姓は、私の身すぎの上に使い、仁田は何か他人のためになることの方に使うことにしていますが、故人の仁田は酒呑みで、私はずっと幼な馴染のいい友だちだった。その法事とあっては、これは行かねばならぬと、何もかも捨てて行った。そして、禅宗の坊さんが上げる般若心経を聞きながら、私は久しぶりにトランスに入ることができた。仁田のホンモノと車谷が一つになって、あの世もなくこの世もなく、個人もなく、生死をはなれた境地において、変わらぬ友情を味わうことができた。

本名の車谷で貿易関連の仕事をし、神戸の自宅、諏訪山房などで占い講座を開くときは仁田で。幼馴染の名前を使わせてもらうことで、この世を超越した知恵が降ってきたのかもしれません。

 

そして私は、翡翠輝子という名前があるから、こうしてウラナイ8の活動を楽しんでいます。

そして本名も翡翠輝子もなく、名無しで占っているのが献血センターのボランティア。「占いを利用しての勧誘は絶対禁止」だからです。時々「また占ってほしいから、名前を教えて」「次の鑑定日はいつ?」と言われたりしますが、はぐらかしています。

「今日、こうして占っている偶然に意味があります。献血は続けてください。また会えたら占いますが、会えなければ会えないであなたの人生がうまくいっている証拠です」

本名、占い師名、名無し。名前を使い分ければ、一度きりの人生でさまざまな役を演じて楽しめます。

ウラナイ8もウラナイ8というグループ名があるからこそ、ここまで活動が続いてきました。メンバーであれこれ案を出したけどなかなかこれというものがなく、深瀬まるさんが「エイトって響きが好き」とつぶやいたことから一気に決まりました。ボブ・ディランのように「名前を見つけた」のです。

https://bob0524.hatenablog.com/entry/20130606/1370475677

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事