ウラナイ8 お披露目会に先立って、8月12日に「東洋占術夏祭りDAY」を開催しました。

トップバッターは天海玉紀さんの「陰陽の不思議な世界」。世界の神話から中医学、易、東洋哲学まで幅広い知識をぎゅっと詰め込んだ1時間半でした。

易の十二消息卦。陰の中にぽつんと陽が入った地雷復が冬至、そこから陽の気が伸びて春分を迎え、やがて夏至へ。陽の中にぽつんと陰が入り、そこからまた冬至へと向かう。季節はこの繰り返し。運気もこれと同じで、ずっと好調が続くことはないし、反対にずっと不運というわけでもない。

「苦しい時や困難にぶつかったとき、目の前のことに一心不乱に熱中する」という対処法が紹介されました。

これで思い出したのが、村上春樹の小説『ねじまき鳥クロニクル』の主人公。混乱するといつもアイロンがけにとりかかります。これは主人公の一族につたわっている行動パターンのようで、彼の叔父もこんなアドバイスをしています。

「複雑なことが絡み合って、どうやってほどいけばいいのかわからないときは、あまり重要じゃないところから片づけていくこと。誰が見てもわかる、誰が考えてもわかる本当に馬鹿みたいなところから始めるんだ。そしてそのバカみたいなところにたっぷりと時間をかけるんだ」

易経の英訳タイトルはThe Book of Changes。常に変化するからこそ、目の前のできることに取り組んでいれば、なんとかなっていくものです。

第二部では参加者の方々が日干別に座り、それぞれの命式の景観を見て行きました。同じ日干でも足元の日支や生まれた季節が異なれば雰囲気が異なります。最強干支の一つとされる戊午(つちのえうま)が私を含めて3人も集結しましたが、それぞれの印象は違い、それでもどこか微妙な共通点があることにお気づきいただけたでしょうか。

そして第三部は他者を読んでみようということで甘夏弦さんが元野球選手の上原浩治と高橋由伸を取り上げました。この二人は全く同じ誕生日で1年違いで読売ジャイアンツに入団しましたが、対照的な生き方をします。

慶応大学卒業で一見、良家のお坊ちゃまの高橋由伸は、不動産経営の父親の借金60億円の肩代わりを条件に読売ジャイアンツに身売りのように入団させられます。一方、上原浩治はドケチ一家で育ち、堅実そのもの。プロ入りしてもデパートの紙袋に着替えを入れて移動していたそうです。

そして、引退後の今、上原浩治はアメリカと日本に複数の不動産を所有し、家賃収入だけで悠々自適のようす。

高橋由伸だって高額年棒をもらっていたはずですが、父親の事業失敗のトラウマから、不動産投資には手を出せなかったのではないでしょうか。

東洋占術では本人だけでなく家系をさかのぼって一族の興亡を読むこともありますが、変えられる運命もあれば、変えられない宿命もあると感じました。

 

今後も占いをツールに、あれこれ思考実験できる会を開いていけたらと思っています。

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