ずばりと当てる占いには心が震えますが、占いの効用は他にもいろいろあります。

東洋占術は男尊女卑で、女は早く嫁に行け、子供を生めと言われたと憤慨する声をよく聞きますが、そう聞いて反発心に火が付いたら、その火をどんどん燃やしたらいいのです。

ネットフリックスで『アンという名の少女』を見ていたら、原作にはないこんなシーンがありました。

アンが学校に行かなくなり、マリラは牧師を呼んで相談します。牧師は「女子は学校になんか行かなくていい。家事を仕込んでよき妻になるように育てなさい」と言います。自分の教区に住み、毎週の礼拝で顔を合わせている独身のマリラの前でこんなことを言うとは、なんという想像力の欠如!

納得できないアンに対しマリラは「私には選択肢がなかったけれど、あなたは自分で道を選びなさい」と励まします。牧師の時代遅れのアドバイスによって、マリラはアンをどう育てるか方針が固まり、アンは再び学校に通うようになったのです。

 

リーマンショックの頃、四柱推命の鑑定を受けたことがあります。

「私の仕事はそんなに影響を受けていないけれど、夫の仕事が減っています」と相談すると「それはご主人のために風水調整が必要」と提案され、とっさに却下しました。

「夫の仕事運なんてどうでもいいんです。その分をカバーできるほど私が稼げるかどうかが知りたいです」

夫の仕事運を上げるために部屋を整えるなんてまだるっこしいことをしなくても、自分が稼ぐほうがいい。それに、夫自身が仕事運を上げたいと願うなら、自分で何とかすべき。脳内BGMはドアーズの『ハートに火をつけて Light My Fire』。本業の原稿書き以外にも勝負に出よう。そもそも私の日柱はいわゆる「婚難干支」の一つであり、普通の結婚の形を取らないほうがいいのです。

占い師の回答がどうだったか、忘れてしまいました。心に響かないものは記憶に残らないのです。ただし、心が燃え上がったタイミングはベストでした。リーマンショックで株価は低下し、絶好の買い時でした。燃え上がった財への欲により本格的に株式投資を始めたことで、大きなリターンを得ました。

古い価値観に基づいた占い師のアドバイスやむっとする言われ方に心が強く反応するのは、そこに鉱脈があるから。ハートに火がついた瞬間を忘れないでください。

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