カルトの勧誘に使われる手相。

たしかに手相は占い師と客の関係を縮めます。同じ誕生日の人はいても、同じ手相の人はいなくて、どの手相も個性的です。「自分だけの人生を観てもらった」という感動が洗脳につながる可能性は大。もし私が洗脳されてあちら側に行っていたら、腕利きの勧誘係になっていたでしょう。

 

月に1回、献血センターでボランティアの占い師をしています。タロットを読むのが楽しくて始めたのですが「手相もできます」のオプションをつけたところ、手相を希望するう方がけっこう多くて、まず手相を観てからタロットという流れになっています。「この人はどんな語り口が好きか。小説? ノンフィクション? 歴史書? ビジネス啓発書?」という傾向がつかめれば、その人に向けて語るスタイルを決められます。

 

手相観は世界に一つだけのてのひらから詩を作る即興詩人です。

イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの「無垢の予兆」。

To see the World in a grain of sand
And a heaven in a wildflower
Hold infinity in the palm of your hand
And eternity in an hour

一粒の砂に世界を
一輪の野の花に天界を見る
てのひらに無限をおさめ
一刻に永遠をつかむ

手相の線や丘を一通り覚えたら、次は表現力。実体験に加えて、小説や詩、コミック、映画、ドラマで覚えた表現も使います。

バイデン大統領の就任式で「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」を朗読したアマンダ・ゴーマンを観て、この世界は生きるに値すると確信しました。

https://www.uranai8.jp/poet/

世の中のすべてが実用的でなったら、どんなにつまらなくなるでしょう。詩を必要とする人がいるように占いを必要とする人もいます。詩と占いは現世の彩りです。

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