今日は節分。明日の立春は、東洋占術の四柱推命、算命学、九星気学では新年のスタートです。

初めて四柱推命で十二支を学んだ時、子ではなく寅から始まったので戸惑ったのを覚えています。そして十二支の終わりは亥ではなく丑。艮(うしとら)の鬼門を過ぎて陰から陽へと切り替わり、五行の木の気がみなぎっていく寅こそが一年の始まりにふさわしいと教わりました。

 

先日訪れた島根の温泉津(ゆのつ)では、都会から移住した人が個性的な飲食店を開いています。「本と喫茶のゲンショウシャ」もその一つ。兼業でデザインのお仕事をなさっているらしいご夫婦が営んでいます。スパイスカレーと地域の里山で採集した野草茶や薬膳・ハーブの飲み物があります。温泉でじっくり温まったあと、野草茶をいただくと体のすみずみまで薬効が染みわたっていくかのようでした。

店内に展示してある本はどれでも手に取っていいと言われました。本のセレクションがまた渋い。吉野裕子『山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰』を手に取りました。温泉津温泉がある石見地方は銀山で大いに栄えた地。山の神について読むのにふさわしい場所です。

この本によると山の神は亥。十二支の亥は季節では冬であり、五行では水。日本人は山から流れ出る水を田に引いて農業に用いてきました。さらに亥は三合では亥・卯・未の木気の始まり。山に生い茂る草木の生命の原点です。水と木を司るからこそ、亥は山の神にふさわしいとあります。

そして、亥とペアになるのが太極にある巳。火が壮んになる夏の十二支です。易の卦にすると、亥が坤。すべてが陰です。巳は乾ですべてが陽。坤は年老いた妻のイメージですから古女房のことを山の神と呼ぶようになったとか。

 

思いがけず島根で山の神と十二支について新しい知識を得ました。東洋占術はどこまで学んでも終わりがない奥深い世界で、日本人の生活にも深く根付いています。

立春で年が改まり寅の月が始まるのをきっかけに、十二支にもっと親しみたいと思いました。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事