Netflixの韓国ドラマ『無人島のディーバ』。ヒロインを演じるパク・ウンビンは『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で自閉スペクトラム症というむずかしい役柄を見事に演じきり、今回は歌の練習を重ね堂々たる歌姫となっています。
いくつものストーリーが重さっているのが韓国ドラマの魅力ですが、ヒロインの先輩である女性歌手の軌跡もじっくりと描いています。一世を風靡した人気の歌姫だったのに、声帯のトラブルで歌えなくなり酒と煙草に溺れる日々。かつてのファンの好意で半地下の家に住むほど落ちぶれていました。
ヒロインと出会い、後輩を育てるという目標を持つことができました。こんなセリフが出てきます。
「私は昔、当たると評判の占い師にこう言われたの。『木の星回り』だと。そばに来た人のために日陰を作り、実を与えるって」
韓国は国旗に八卦を用いているぐらいですから、東洋占術の五行が生活に根付いているのでしょう。
BTSのジョングクとVも「水と火で補完する相性」と語っていました。
4/2 土曜日のデイリーメッセージ《水と火の相性》 - ウラナイ8 (uranai8.jp)
さて、ここでいう『木の星回り』は、四柱推命の日干が甲(きのえ)ということだと思います。木火土金水の五行のうち、木の陽である甲の役目は「人の役に立つこと」。木の陰である乙(きのと)はきれいに咲いているだけでいいのですが、甲は自らが木材となってさまざまな用途に使われます。
『無人島のディーバ』では芸能プロダクションの代表が「歌手は一般の人より早く年を取る。30歳は還暦と同じだ」といった発言をしていましたが、いくら人気があっても華やかな芸能生活を続けられる期間はそう長くないのでしょう。歌手としては落ち目になっても、自分が「木」であることを思い出せば、次にやるべきことが見つかります。
占い学校の四柱推命の講座で共に学び、新規予約が取れないほどの売れっ子となった占い師がいます。いったいどんな鑑定をしているのか聞いてみたらこんな答えが返ってきました。
「お客さんを前にして、命式を見ていたら『この人はどういう生き方をするのがふさわしいか』がわかってくる。世間的に成功と言われる生き方をしていても、その人に合っていなかったら意味がない」
玉紀さんがよく、東洋占術では「ないものはない」という話をします。ないものを必死に手に入れようとするのも苦しいし、持っているものが好きではないこともあるでしょう。『無人島のディーバ』でも先輩歌手は「損しかない。いいように使われるだけ」と嘆いていましたが、結局は星回りの通りに生きることになるのです。
なお、先輩歌手を演じた女優キム・ヒョジンは1984年2月10日生まれ。日干は甲です。そしてパク・ウンビンの役どころは乙っぽいと感じました。声や音楽を司るのは木ですから、先輩と後輩で甲乙つけがたい歌の才能があるという設定。そして無人島でサバイバルできるのは甲でななく乙でしょう。
パク・ウンビンは1992年9月4日生まれで日干は癸(みずのと)。男装の麗人や自閉症の天才弁護士など荒唐無稽な役を演じるのは、「方円の器に従う」という癸の性質を最大限に発揮しているかのようです。