先週のデイリーメッセージでテレビドラマ、クリミナル・マインドFBI行動分析課から「遺伝子が弾、心理が照準、環境が引き金」ということばを紹介しました。

ゆみこさんとまるさんが興味を抱き、人はなぜ犯罪者になるのか西洋、東洋、インドの見地からの研究会が開かれました(テーマがテーマなのでクローズド開催)。

 

取り上げたのはコロンバイン高校銃乱射事件のエリック・ハリスとディラン・クレボルド。クリミナル・マインドでは、単独犯でなく複数が暴走して凶悪犯罪が起こった時に例として出されることが多いケースです。

ディランの母親の手記を読みました。

 

玉紀さんはTEDの動画を紹介してくれました。

 

占いだけで犯罪者になるかどうか判断できません。世界で1日に生まれる赤ちゃんは約20万人。生まれた時刻がわからないと正確に占えないとはいえ、24で割ると1時間に8000人以上が生まれてくる計算になります。同じホロスコープ、命式になっても、運命は人それぞれ。どの国にどんな両親のもとに生まれるか、そしてどんな出会いがあるかで、各自の運命が展開していきます。

 

東洋で見るとエリック・ハリスとディラン・クレボルドは同級生なので年柱の辛酉(かのととり)は同じです。

エリックは4月生まれで月柱は壬辰(みのずのえたつ)、ディランは9月生まれで丁酉(ひのととり)。

そして日柱はエリックが丁巳(ひのとみ)でディランが壬辰(みずのえたつ)。なんと、エリックの月柱とディランの日柱が同じで、エリックの日柱とディランの月柱は天干の丁が共通で巳と酉、三合金局の関係です。

ここまで共通要素のある命式なら、離れようとしても離れられない運命共同体です。しかも丁と壬は干合(かんごう)という特別な結び付き! 二人とも節入直後の生まれなので、大運の切り替えは1歳運でこれも共通。大運同志もずっと干合していきます。乱射事件の前に二人は車上荒らしなど軽犯罪に手を染め、双方の親は二人を引き離そうとしていましたが、ここまで命式がからみあっていると離すのは無理だったでしょう。

 

コロンバイン高校の学生の父親にFBI捜査官がいて、エリックがサイコパスで主犯格と分析しました。

二人はスクールカーストの最下層でいじめられていたと言われますが、スポーツをやってなくてアメリカ中西部の大多数が理想とする高校生像から外れていただけのような気もします。ニューヨークやカリフォルニアだったら彼らも居場所があったかもしれないし、大学進学で家を離れれば新しい世界が広がっていたでしょう。

エリックとディランは西洋・東洋で見ても、困難な問題を抱え込む傾向はあっても、内に才能を秘めた聡明なタイプ。ディランは他の子どもより一年早く小学校に入るほど優秀でした。玉紀さんはディランのお母さんの命式も出し、なるほど家族読みではこうなるのかと興味深かったし、杏子さんは優秀な息子さんを持つ母親の視点から分析。ゆみこさんの西洋の相性読みはまさしく私の知りたかったことだし、まるさんのインド占星術は前世や来世まで探るので、こういう大事件を起こしたケースを読むのに向いています。

 

もちろん、エリックやディランと同じ日に生まれた人の大多数は、犯罪に手を染めず平和な人生を送っているわけです。そうした人々とこの二人の運命が徹底的に変わってしまったのは、分身のように離れがたい相手と10代で出会ってしまい病的な方向に進んでブレーキがきかなくなったから。

エリックの父は軍人で全米各地を転々としていますが、コロラド州コロンバインに赴任さえしなければ、この事件は起こらなかったでしょう。ディランの両親は高学歴で高収入なんだから、息子の繊細さを考慮してアメフトの花形選手とチアリーダーがスクールカーストのトップに君臨する中西部のがさつな公立高校ではなく別の学校を検討してもよかったのに…。でも二人は出会ってしまい、計画は止まらなくなってしまったのです。

 

クリミナル・マインドでは複数犯による連続犯罪の回に「パーフェクト・ストーム」というタイトルをつけていました。一人だけだったら頭の中の妄想にとどめ暴力的なゲームで発散し、平凡な人生を送っていたかもしれません。しかし、運命の相手と出会ってしまい、パーフェクト・ストームが起こり、誰も止めることができなくなりました。持って生まれた命式やホロスコープに現れているのは、弾丸であって、引き金を引いて発砲するかどうかは、人間関係という環境なんだと改めて感じさせられました。

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