有名占い師、今注目の占い師の皆さんの生の声を聞きに行く「占いインタビュー」
占いの世界で様々な形で活躍している方々に、「どうして占いの道に?」「どうしてそういう仕事の形態に?」などの色々な質問をしていきます。

 

今回のインタビューはタロットリーダーのTAZN(たつん)先生です。
今はもう停止されていますがココナラで大活躍され、TwitterでもTAZN先生が考案されたスプレッドを目にした方、実際にやってみた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

 

占いの道にどのように入っていったか、どのようにタロットと向かい合っているのかなどの様々な話を、ウラナイ8メンバーのみずまち☆ゆみこ先生と一緒に伺ってきました。春先に話を伺ったのにアップまで時間がかかってしまったので多少訂正入ってます。全三回です。(夏瀬杏子)

1回目のインタビューはこちら→

 

TAZN先生 プロフィール
ゾンビタロット占い師 TAZN
2013年より活動するタロットリーダー。
タロット占いのご相談を受ける傍ら、タロットを使った魔術的ワークや自己探求のためのスプレッドを開発。
リーディングのコーチとしても活動。実践・研究の場「TAZNのタロットサークル」主催。
ゾンビタロットの使い手。
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Twitter→
ゾンビタロットです

 

タロットの「骨と肉」

あんこ
小さい時はどんなお子さんでしたか?

TAZN先生
本が好きでしたね。
おとなしくあまり外で遊ばないインドア派でした。外で遊べとよく怒られました。

あんこ
やっぱり不思議なこととか好きでしたか?

TAZN先生
好きでしたね。

あんこ
演劇のお仕事ということでしたが、ご自分が演じたりはしなかったのですか?

TAZN先生
高校時代に演劇部で演じた以外は、ほとんどないです。スタッフ側でした。
劇場に勤める以前にはその高校の演劇部で教えたりもしました。学生相手に脚本を書いたり演出をしたりしていましたね。
それがタロットリーディングの下地にもなったなと思っています。

あんこ
やっぱり言葉が豊かというのは大切だと思いますが、それはどこで培ってこられたのでしょうか?

TAZN先生
本を読んできたっていうのはあるのかな。

あんこ
どんなジャンルが好きでしたか?

TAZN先生

子供の頃は小説をたくさん読んでいましたね。古典的なものも読みましたが、今でいうラノベみたいなものや、SFや幻想小説なども読みました。
 
その頃はミヒャエル・エンデなどが好きでした。中学ぐらいだとマジックリアリズムという分野のボルヘスという南米の作家が好きで・・・あとスティーブン・キングなんかも好きです。

あんこ
そういうのが演劇にも役に立ってたんですよね。

TAZN先生
そうです。そしてそれがタロットにも生きてきたんだと思います。
占いというものが、その人の物語をどう語るかと言うことであるならば、それについては色々勉強してきたことが活用できるているのかな。
 
人間の脳っていろんなことを物語のように考えてしまうじゃないですか。
全然関係ないことでも点と点とつなげて物語にしちゃう。

あんこ
実は私はタロットで、カードの意味でストーリーを組み立てて作るというのが苦手で、マスターするのにすごく時間がかかりました。

みずまち
私もそう言われてみれば苦労したかな。
やっぱり小説や本に多く触れてる人はイマジネーション力がありますよね。

TAZN先生
最近はその人についての物語を語るだけではダメで、その人の中に「解体すべき物語」があると思っています。
「こうでなきゃいけない」という無意識の物語が心にあり、それがその人の邪魔をしている場合があります。それならその物語を壊してしまったほうがいいんじゃないか、そういうことを考えます。

あんこ
物語を作るのには語彙力が大事かなと思うのですが、どうやって増やすとかアドバイスはありますか?

TAZN先生
うーん、単語をいっぱい知ってるかって言ったら全然無いんですよ。
基礎的な言葉を組み立てて行くしかないと言うか・・・

みずまち
確かにツイキャスを聞いた時に、日常で使われない言葉を大量に話している感じは一切なかったです。
分かりやすく基礎的な言葉の積み重ねでストーリーを紡いでいく解説、そういう風に感じましたね。

TAZN先生
中学英語1500単語、みたいな中で話したい気持ちがあります。

あんこ
当たり前ですけど難しい言葉が無くても出来るって事ですよね。
基本的なワードの中から何を選び、どう繋いで行くか、そこがセンスがあるかどうかって話なのでしょうね。

TAZN先生

タロットだと「絵」があるので、まず絵から出てくる物語があります。想像力が豊かな人は絵だけからでも話ができますが、本質的なカードの意味もありますよね。
 
例えば色々な人がタロットデッキを作るので、様々な魔術師のカードの絵があります。

あんこ
それぞれの絵に対してそれぞれの物語が出来るって事ですよね?

TAZN先生
はい、それは個別のデッキごとの物語になります。
そして「魔術師のカードの絵」は、今後作られるデッキも考えると無限のバリエーションを持つことになります。
 
でも絵になっていない大元の「形而上のタロット」的なものがあると想定して、それは骨のようなものなんですが、その意味と絵を両立させることで、物語の組み立てが無限に広がりすぎないようにしています。
 
絵から生まれるものは物語を豊かに展開させる力を持っていて、それもタロットの大きな可能性の一つなのですが、無限に広がりすぎちゃうので絞りたいと思っていて。

あんこ
おっしゃっていることは分かります。

TAZN先生
そのためには、色々なデッキの、絵を全部取っ払っちゃったところにある魔術師のカードとは何かを考えなければなりません。
その絵のタネになっているなにか・・・それをメインに置き、絵とタネ両方を持って喋ると止まると感じています。

あんこ
きちんとした基本みたいなものが必要ということですか。

TAZN先生
そのタネが自分なりにあればいいと思っています。
タネというものをどう捉えるかはそれぞれの人にそれぞれの捉え方があっていいんですが、例えば魔術師のタネと女帝のタネが被ったらいけないわけです。
 
全部のカードが別物として、全部揃うと一つの宇宙が説明できる、その体系や構造が自分の中にできていればいい。絵が少し似ているカードがあるじゃないですか。
 
例えばペンタクルのクイーンと女帝のように、ちょっと似ている女の人が描かれていても「この差は何か」を言えればいいと思うんですよね。

あんこ
それは意外と難しいですよね。
絵だけだと似たものになっちゃうので、絵にあまりとらわれてはいけないということですか?

TAZN先生
そう、絵だけには、ですね。

あんこ
今は漢字だけのタロットっていうのもありますよね。

TAZN先生
そうですね。
もちろんタロットに絵が付いている意味もやっぱりあります。
でも絵だけの読み解きだと想像力の中で迷子になっちゃうんですね。
だからそのタロットがどういう骨格と肉を持っているかという話なんです。

あんこ
絵が肉ということですね。

TAZN先生
そうです。
絵は色々ありますが、皆さん絵だけに囚われていると全容を捉えられなくなってしまうんですよ。
それを見ているうちに骨のようなものを取り扱うようになってきたっていう感じです。例えば解説書にはよく「このカードの意味はこう」というキーワードの羅列がありますね。
 
一番最初はそこから相談内容にふさわしいキーワードを拾い上げてつなげていったりする訳ですが、それだけではだんだん間に合わなくなるんです。
 
例えば恋愛相談の場ではこういう関係性を示しますよというキーワードになる、でも同じカードでも仕事のシチュエーションだったら違うキーワードになる。

あんこ
でもそれは関係がないわけじゃなく、大元のカードの骨格はこうなんですが、違う面が出ているってことですよね?

TAZN先生
その通りです。
その骨格が違うシチュエーションによって肉付けされたから違うキーワードになっている訳ですね。

あんこ
独学だとおっしゃいましたけど、その「骨と肉」をどうすれば上手に取り扱えるようになるかのアドバイスはありますか?

TAZN先生
まずは本をおすすめするのですが、メアリー・K・グリーアの「タロットワークブック」と、松村潔先生の「数の原理で読むタロットカード」です。

みずまち
古い本ですね。

TAZN先生
それ以降も松村先生は色んなタロットの本を書いてますが、この本は数秘術的な面からタロットを見て行くもので、今話した骨をどう扱うかに関しての本です。
タロットワークブックが主に絵をどう扱うかという本で、二つの柱みたいな感じです。
(※現在、タロットワークブックのオンライン読書会をされているそうです)

あんこ
もし個人レッスンを頼まれたら、最初はどういう方法を勧めますか?

TAZN先生
そうですね、最初は絵が助けてくれると思っています。
骨と関係なくても、絵が伝えてくれるメッセージというのがあるので、まずは絵をしっかり見てもらいます。

あんこ
例えばこのカード(ゾンビタロットのペンタの8)、この絵からはどういうメッセージがあるんですか?
左がペンタクルの8、右がカップのキング

TAZN先生

まずメッセージ以前に、カードにどういうオブジェクトが描かれているかをリストアップして、レシートの明細のように書いていくんですよ。
 
これはまず生首があるんですけど(笑)、これはゾンビの首ですね。
密閉容器があって、何かの液体・・・緑の液体が入ってて、電極みたいなものも付いてますね。
「Do Not Open」と書いてあります。開けてはいけない、密閉されたものが描かれています。

あんこ
でも今の説明を聞いていると、8という数字は凝縮とか圧縮みたいな意味を持ちますが、そういう意味がちゃんと入ってるんですね。

TAZN先生
それは、8という数字の骨格と、絵に描かれているものの間に共通点を発見されたということですね。
骨格と絵の間に共通点や関連性が見つけられると、その読み解きはより説得力あるものになります。

あんこ
もう一枚いいですか?これは?

TAZN先生
カップのキングですね。これはまず海が描いてあって、その中に椅子が・・・これは籐の椅子ですね、それに座ってる。
海軍の偉い人と言うか提督みたいな感じですね。そういう風にまずは物理的に何が描かれているかを連ねていきます。
この段階では、占い的な意味をカードから取り出す必要はありません。

あんこ
それはその人が使っているデッキでいいってことですよね。

TAZN先生
そうです。まずは自分の使っているデッキのカードに何が描かれているかをチェックするということですね。
そして次はその絵からからどんな感情を受け取るかです。

あんこ
このデッキは全部ゾンビだからちょっと気持ちが悪いですね。

TAZN先生
ゾンビですからね(笑)でもその気持ち悪さは何なのかということです。
なにか問いを立ててそのカードを引いたなら、その問いに対してその気持ち悪さは何とどういう関係があるのかということです。
 
感情はその都度都度で変わり、例えばどんなシチュエーションでカードを引くか、またはその日の気分によっても絵から受け取る感情は変わります。
それはそれで感情からのメッセージとして必要なんですけど、物理的な絵は毎回変わらない。

あんこ
それはそうです。

TAZN先生
それはベースみたいなものとしてあるのだから、途中カードの意味が分かんなくなっちゃったって言ったら、もう1回カードに何が描いてあるかを物理的に見ていきましょうと。

 

 

3回目はこちら

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