有名占い師、今注目の占い師の皆さんの生の声を聞きに行く「占いインタビュー」
占いの世界で様々な形で活躍している方々に、「どうして占いの道に?」「どうしてそういう仕事の形態に?」などの色々な質問をしていきます。
今回のインタビューはタロットリーダーのTAZN(たつん)先生です。
今はもう停止されていますがココナラで大活躍され、TwitterでもTAZN先生が考案されたスプレッドを目にした方、実際にやってみた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
占いの道にどのように入っていったか、どのようにタロットと向かい合っているのかなどの様々な話を、ウラナイ8メンバーのみずまち☆ゆみこ先生と一緒に伺ってきました。春先に話を伺ったのにアップまで時間がかかってしまったので多少訂正入ってます。全三回です。(夏瀬杏子)
1回目のインタビューはこちら→★
タロットの「骨と肉」
おとなしくあまり外で遊ばないインドア派でした。外で遊べとよく怒られました。
劇場に勤める以前にはその高校の演劇部で教えたりもしました。学生相手に脚本を書いたり演出をしたりしていましたね。
それがタロットリーディングの下地にもなったなと思っています。
子供の頃は小説をたくさん読んでいましたね。古典的なものも読みましたが、今でいうラノベみたいなものや、SFや幻想小説なども読みました。
その頃はミヒャエル・エンデなどが好きでした。中学ぐらいだとマジックリアリズムという分野のボルヘスという南米の作家が好きで・・・あとスティーブン・キングなんかも好きです。
占いというものが、その人の物語をどう語るかと言うことであるならば、それについては色々勉強してきたことが活用できるているのかな。
人間の脳っていろんなことを物語のように考えてしまうじゃないですか。
全然関係ないことでも点と点とつなげて物語にしちゃう。
やっぱり小説や本に多く触れてる人はイマジネーション力がありますよね。
「こうでなきゃいけない」という無意識の物語が心にあり、それがその人の邪魔をしている場合があります。それならその物語を壊してしまったほうがいいんじゃないか、そういうことを考えます。
基礎的な言葉を組み立てて行くしかないと言うか・・・
分かりやすく基礎的な言葉の積み重ねでストーリーを紡いでいく解説、そういう風に感じましたね。
基本的なワードの中から何を選び、どう繋いで行くか、そこがセンスがあるかどうかって話なのでしょうね。
タロットだと「絵」があるので、まず絵から出てくる物語があります。想像力が豊かな人は絵だけからでも話ができますが、本質的なカードの意味もありますよね。
例えば色々な人がタロットデッキを作るので、様々な魔術師のカードの絵があります。
そして「魔術師のカードの絵」は、今後作られるデッキも考えると無限のバリエーションを持つことになります。
でも絵になっていない大元の「形而上のタロット」的なものがあると想定して、それは骨のようなものなんですが、その意味と絵を両立させることで、物語の組み立てが無限に広がりすぎないようにしています。
絵から生まれるものは物語を豊かに展開させる力を持っていて、それもタロットの大きな可能性の一つなのですが、無限に広がりすぎちゃうので絞りたいと思っていて。
その絵のタネになっているなにか・・・それをメインに置き、絵とタネ両方を持って喋ると止まると感じています。
タネというものをどう捉えるかはそれぞれの人にそれぞれの捉え方があっていいんですが、例えば魔術師のタネと女帝のタネが被ったらいけないわけです。
全部のカードが別物として、全部揃うと一つの宇宙が説明できる、その体系や構造が自分の中にできていればいい。絵が少し似ているカードがあるじゃないですか。
例えばペンタクルのクイーンと女帝のように、ちょっと似ている女の人が描かれていても「この差は何か」を言えればいいと思うんですよね。
絵だけだと似たものになっちゃうので、絵にあまりとらわれてはいけないということですか?
もちろんタロットに絵が付いている意味もやっぱりあります。
でも絵だけの読み解きだと想像力の中で迷子になっちゃうんですね。
だからそのタロットがどういう骨格と肉を持っているかという話なんです。
絵は色々ありますが、皆さん絵だけに囚われていると全容を捉えられなくなってしまうんですよ。
それを見ているうちに骨のようなものを取り扱うようになってきたっていう感じです。例えば解説書にはよく「このカードの意味はこう」というキーワードの羅列がありますね。
一番最初はそこから相談内容にふさわしいキーワードを拾い上げてつなげていったりする訳ですが、それだけではだんだん間に合わなくなるんです。
例えば恋愛相談の場ではこういう関係性を示しますよというキーワードになる、でも同じカードでも仕事のシチュエーションだったら違うキーワードになる。
その骨格が違うシチュエーションによって肉付けされたから違うキーワードになっている訳ですね。
タロットワークブックが主に絵をどう扱うかという本で、二つの柱みたいな感じです。
(※現在、タロットワークブックのオンライン読書会をされているそうです)
骨と関係なくても、絵が伝えてくれるメッセージというのがあるので、まずは絵をしっかり見てもらいます。
まずメッセージ以前に、カードにどういうオブジェクトが描かれているかをリストアップして、レシートの明細のように書いていくんですよ。
これはまず生首があるんですけど(笑)、これはゾンビの首ですね。
密閉容器があって、何かの液体・・・緑の液体が入ってて、電極みたいなものも付いてますね。
「Do Not Open」と書いてあります。開けてはいけない、密閉されたものが描かれています。
骨格と絵の間に共通点や関連性が見つけられると、その読み解きはより説得力あるものになります。
海軍の偉い人と言うか提督みたいな感じですね。そういう風にまずは物理的に何が描かれているかを連ねていきます。
この段階では、占い的な意味をカードから取り出す必要はありません。
そして次はその絵からからどんな感情を受け取るかです。
なにか問いを立ててそのカードを引いたなら、その問いに対してその気持ち悪さは何とどういう関係があるのかということです。
感情はその都度都度で変わり、例えばどんなシチュエーションでカードを引くか、またはその日の気分によっても絵から受け取る感情は変わります。
それはそれで感情からのメッセージとして必要なんですけど、物理的な絵は毎回変わらない。
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