有名占い師、今注目の占い師の皆さんの生の声を聞きに行く「占いインタビュー」
占いの世界で様々な形で活躍している方々に、「どうして占いの道に?」「どうしてそういう仕事の形態に?」などの色々な質問をしていきます。

 

今回のインタビューは西洋占星術研究家の芳垣宗久(よしがきむねひさ)先生です。
西洋占星術を長年研究されており、鑑定はもちろん講座や占星術スクール主催などで幅広く大活躍中されている西洋占星術における第一人者のお一人でいらっしゃいます。

 

占いの道にどのように入っていったか、いつもどのように研究を深めているのかなどの様々な話を、ウラナイ8メンバーの深瀬まる先生と一緒に伺ってきました。全三回です。(夏瀬杏子)

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芳垣宗久先生 プロフィール
ホロスコープを人間の創造力を引き出す思考ツールとしてとらえ、古典から近代のテクニックまで幅広く研究。個人相談や原稿執筆のほか、セミナー・講演等も積極的に行っている。占星術スクール「ヘルメス学園」主催。
著書に『女神からの愛のメッセージ小惑星占星術』(説話社)、『超開運 ダウジングでどんどん幸せになる本!』(芸文社)、 共著に『もっと深く知りたい!12星座占い』(説話社)がある。
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占星魔術について

芳垣先生
まあこんなこと言ってますが、すごくお世話になりましたよ。
先生のお陰で仕事もだんだんだんだん増えていって、2004年に整体の仕事を辞めて占い一本にする決断をしました。母が54歳で亡くなったのがきっかけでした。

あんこ
それはお若いですね・・・

芳垣先生
病床で、本人ももうわかってたと思うんですけど私の占いを読んで「あんたこれお金もらってるの。それはいいわね」って言ってくれて。
それまで「男の子が占いなんて」みたいに言ってたのに一応肯定してくれたんです。
 
でもね、「あんた副業でやるならいいけど本業にしちゃダメよ」って言われたんです。
遺言ですよね。きっと心配だったんだと思います。
ちょうどその時なし崩しにそっち(占い)に行っちゃうかなと思ってた時だったんです。
でもそんな状況では「分かりました」って言うしかないじゃないですかで。
 
その後亡くなってしまったんですけど、近い人が亡くなったの初めてだったんです。
人間54歳で死んでしまうというのがリアルにあるんだって思って、これはこうしてはいられないと次の月に職場に辞めるといってしまいました。

あんこ
えっ?(笑)

芳垣先生
逆効果ですよねこれは。
だってあと何年とか考えますもんね。自分は今49才なので母親が亡くなった年まであと5年じゃないですか。多分生きてるだろうけど考えますよ。

あんこ
ではそこで占いだけになったんですね。

芳垣先生
上司に言ったら「(母親に)駄目って言われたんじゃなかったっけ?まあいいけどね」って言われて、その年いっぱいは手伝ってから辞めて、完全に占い師になりました。
でそれに今に至るって感じです。18年経ちました。

あんこ
こんなにご活躍ならお母さまも文句言わないでしょう。

芳垣先生
あーそうですね、辞めちゃった直後は夢に3~4回出てきました。自分が勝手に夢でみているんですが、怒っている母に分かったよみたいなこと言ってましたが、しばらくして出なくなりました。
なんとか食っているし父親の面倒も見てるし全然文句ないだろうって、そんな感じですね。

あんこ
話は変わりますが、先生は今魔術をやってると伺いましたが、魔術とは?

芳垣先生
そうなんです、魔術をやっているんです。
魔術はもう一つの次の転機でしたね。

あんこ
護符とか作るらしいですね。

まる
えっ、護符ですか?

芳垣先生
これそうですよ(胸にかかっているペンダントを指して)。
これはスピカって恒星に、この間月が重なって完全にハードアスペクトも何もない状態という特別な日があって、年に何回かしかないんですよ。
その時にこれシルバークレイってわかります?銀粘土って言って銀の粉末を練り込んである粘土があって、それで形を作って焼いて固めて、それにこの魔術の刻印をするんです。

あんこ
じゃあそれは手作りなんですか?

芳垣先生
そう完全に手作りです。
特別なタイミングで作った本物です。

あんこ
それは目的があって、そのタイミングに合わせて作るということですか?

芳垣先生
そうなんですよ。
ただのお守りはただ作るだけなんですけど、それにタイミングを合わせるの占星魔術っていうんです。
占星術を使った魔術なんです。師匠に初めて会ったのは2008年だったかな。

あんこ
お師匠さんがいらっしゃるんですね。

芳垣先生
そう、アメリカの人で、たまたま他のマイナーなグループが日本の講演会に呼んだんですよ。
それを偶然小耳に挟みまして。
「魔術と占星術を合体させている変な人がいるよ」っていうのを聞いたんです(笑)

あんこ
うーん、それは怪しいですよね。

芳垣先生
でもそれは面白そうだなって思ったんです。
その時ある占星術団体に入ってたんですが、それに入ってる人は半額になるらしいと聞いて、それだったら行ってみようと出かけました。
行ってみたらちょんまげを結ったアメリカ人で。

あんこ
ちょんまげを結ったアメリカ人??

芳垣先生
日本が大好きで作務衣とか着ているんです。
話の内容がどこかで見たか聞いたりしたことがあるなと思ったら、ずいぶん前にその人のホームページは見たことがあったんです。
 
魔術とか言っていたのでこの人には関わりたくないなとその時は思ったんですけど、でも今回聞いたら面白かったんです。
確かに現代人が失った宇宙感のようなものをちゃんと理解してやってる人だなと思いました。
 
通訳の人が占星術を知らない人だったので、たまに翻訳がおかしいところがあったんです。
しょうがないのですが、恒星(fixed star)を「固まった星が」と訳してしまうので、 自分が「それは恒星って意味なんですよ」って言ったら、「ああ、その恒星ね」って分かってくれて、翻訳の人もすごく頭のいい人だったんです。
 
師匠と翻訳の人と自分とで何か三人で話が進んでいって そしたら師匠が君も隣に来て一緒にやってくれないかとなって、それで3人で掛け合いしながら講演会をやって、それで親しくなったんです。

あんこ
そういうところがすごいですね。どこでも入り込んでいくと言うか・・・

まる
なんというか西半球人生ですね。

芳垣先生
第7ハウスに沢山惑星があるので、投げられたらうち返しますよっていうところがありますね。
色々話してみたら、もう日本を大好きで、座禅修行中で、「清少納言はどう思う」って聞かれました(笑)「学校では習ったんですけど・・・」と言ったら「いやあの倫理観は素晴らしいね」とか言って。
 
平安時代ってルネサンスにちょっと通じるんですよね。
貴族文化が栄えて人間関係はドロドロで呪いあったりとか、魔術で貶めたりとかで陰陽師が幅を利かせていたりする時代なんですが、「この日は出かけちゃいけない」みたいに占星術に支配されてるんですよ。
でも人はどうあるべきかと考えながら必死に生きているんだと。
 
そういう話を聞いて、この先生はすごく日本人にリスペクトがあるんだな、この人だったら習っていいかなってふと思ったんです。
そうしたら向こうからルネサンス占星術をやらないかって言われたので、その場で入門しちゃったんですよ。そこからの付き合いです。

あんこ
何を勉強するのですか?

芳垣先生
通信教育で魔術のコースを学ぶのですが、まずは読書です。
指定された本を読んでレポート書くんです。それが英語で書かれたルネサンス時代の思想の本で、難しくて絶対無理と思いましたが日本語訳があったんです。
そのお陰でそれは何とか2ヶ月ぐらいで終わって、その後は実技に入りました。

あんこ
実技とはどんなことを?

芳垣先生
それがこのペンダントのように、タイミングを計算して文字を刻んで、祈るというか儀式をやるんですよ。そしてそれを装着するというのをやります。何十種類もタリズマン(護符)があるんですよ。

あんこ
それ(胸のペンダント)は何の祈願をしたんですか?

芳垣先生
これはスピカという恒星です。
今天秤座の23度ぐらいにあるんですけど、これは名誉や名声、富などを司ります。
 
この占星魔術が他の魔術と違うところが1つだけあって、普通の魔術って「こうなりたい」というお願い事を叶えようとするじゃないですか。
似たようなので新月にお祈りしましょうとか、量子理論によって引き寄せましょうとか、それは占星魔術だとダメなんです。
 
「ああなりない」「こうなりたい」とかお願いはしていいんですが、最後は神に委ねるんです。
例えばあの男の人に好かれたいとお願いしてもいいけど、嫌われてしまうこともあります。
でもそれを受け入れなきゃいけないんです。神が一番いいと思うものを受け入れるという発想なんです。

あんこ
執着しちゃうんですよね。

芳垣先生
最近はみんなエゴが肥大しちゃってすぐ引き寄せとか、願望成就でパワースポット巡りとか、いいんですけど最終的には神に委ねるという姿勢がないと傲慢なんですって。
 
ルネサンス時代はみんなそうで、基本的には占星術であろうが魔術であろうが「たかが人間」というベースがあって、何でも可能だなんて絶対に無いと。
でもその中でもギリギリ神と「なんとかここは」交渉して、それで効果がなくても神を恨んだりとか絶対なかった。
 
そういう思想や歴史とかも入ってくるんです。
めちゃくちゃ勉強になったのでやってよかったです。
自分の中での占星術も変わりましたね。

あんこ
どんな風に変わりましたか?

芳垣先生
本当は惑星を相手にしなきゃいけないのに、ただの記号と捉えていたんですね。
惑星は本当は霊魂を持っている生き物なんですよね。
 
それが現代の占星術では無くなってしまって、みんな木星とか水星とか言ってるけど ただの記号であり天体であり、キーワードですよね。キーワードをくっつけてきて占い的なことをしてるだけ。
 
でもそれぞれに霊魂が宿っていて、我々はそれと交流しているのだという感覚があって、今実際にその世界観が回復されつつあります。

あんこ
どんな感じなのですか?

芳垣先生
欧米の占星術では魔術という言葉はタブーとなっていたんです。
二十世紀は心理学とか統計とか言わなければならなかったのが、最近になって古典が復活してきて、実はもう占星術と魔術は渾然一体となっているもので 本当は一緒に学ばなければいけなかったということになって来たんです。

あんこ
哲学みたいなものでしょうか。

芳垣先生
そうですね。魔術と宗教との境は曖昧なんですよ。
それで師匠は最近有名になってしまって・・・ 注目を浴びているんですよ。
こうやってお守りを作る人も世界で激増していて、Instagramにポンポンアップされていて、売り出してる人もいますし(笑)
 
なのて自分も作って、日本から発信しようとホームページも準備しているんです。

あんこ
そうなんですね!

芳垣先生
自分はInstagramをやってないんですけど 自分がやってる研究グループのメンバーが 一部をInstagramにアップしていまして、そうすると海外の人が声かけてくるって言ってました。
割と世界の共通語になりつつあって、新しい潮流になっていますよね。

あんこ
じゃあ芳垣先生が今一番力を入れてるのはそちらですか。

芳垣先生
まあそうですね、勉強はかなりそちらに力を入れてまして・・・今師匠の本を翻訳してて、来年になるかもとは思うんですけど本になると思います。
40代でそれはやりたいなと思っていたので本当に実現しそうで、幸せですね。
職業生活は一通りやらせてもらえたし、すごく恵まれてると思います。

あんこ
他にどんなことをやっていきたいとお考えですか?

芳垣先生
そうですね、今はその魔術の方を紹介するっていうのをやっていきたいと思ってるんですけど、ちょっと前までは占星術をどうやって教えるかっていうのが一つのテーマだったので、あわせてやっていきたいです。

あんこ
オンラインサロンもやってらっしゃいますよね。

芳垣先生
そうです。でもやっているとどうしてもわからなくて(占星術を)諦めてしまう人が出てきてしまうので、それはなぜなのかを分析して考えてを繰り返し10年ぐらいやっていたのですが、ようやくその成果も出てきたと思います。
そういうのももちろん出していきたいですね。

あんこ
今回はどうもありがとうございました!
芳垣先生のますますのご活躍を楽しみにしております。

 

 
お読みくださりありがとうございました!
次回のインタビューもお楽しみに。

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